さわって実感! 子供に“命の大切さ”を教える動物介在教育学のポイント
と教えるよりも、実際に生き物たちと触れ合いながらそういった会話の機会を設けることで、子どもたちに“命の大切さ”“命の多様性”を教えることができます。また、触れることで少なからずストレスを与えている動物たちのことを思いやり、動物の飼育環境や野生動物の生息環境について考えることができる人を育てることにつながると、花園先生は指摘します。
●親子で一緒に爬虫類・両生類・魚類・鳥類・昆虫にも触れ合ってほしい
さて、冒頭でお話ししたオタマジャクシを根こそぎ捕獲してしまった子どもたちのことに戻りますが、実は筆者はこれはこれであの子たちにとっては通るべき貴重な経験でもあった ことを否定しません。
オタマジャクシたちはかわいそうでしたが、あの子たち自身ももう少し大きくなったときに必ず「あのときはオタマジャクシたちにかわいそうなことをした」と気づき、後悔するからです。
こうしてほとんどの子は大人になってもっと大きな動物を猟奇的に殺傷したりしない真っ当な大人に成長して行くからです。ただ、そうはいっても、無意味な殺傷はできることならしない方がいいに決まっています。
そこでまた花園先生の動物介在教育学の効用についてなのですが、花園先生は保育園や幼稚園、小学校の現場に生き物との触れ合い体験教室で出かけて行かれる際、パパもママも子どもたちと一緒になってわたしたちと同じ哺乳類以外の生き物たち (爬虫類・両生類・魚類・鳥類・昆虫等)に触れることも奨めているそうです。
こういった動物たちをペットとして飼育しているパパやママならお分かりでしょうが、彼らが小さな体で一生懸命に生きている姿は本当に愛らしいものです。
動物介在教育学に関心のあるかたは、花園誠先生の研究室のホームページなどをご覧になってみるのもよろしいかと思います。
【参考文献】
・『動物とふれあう仕事がしたい』花園誠・著
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア