イクメン化を後押し! パパが抱えがちな育児ストレスとサポート方法
こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。
育児に積極的に参加している、あるいは参加したいと思っているパパはたくさんいます。それでも、“パパがどんなことに育児のストレスを感じているか”については、あまり知られていないのではないでしょうか。
そこで今回は、パパに特徴的な育児ストレスやパパの育児ストレスに対してママができることについて考えていきます。
●(1)育児疎外感によるストレス
清水(2006)の調査では、パパの育児ストレスで最も多くみられたのは、“子どもの自己本位な特性”に対する怒りや不満、疲れであることが報告されています。
ここでいう子どもの自己本位な特性とは、「言うことを聞かない」「わがまますぎる」「泣く」「騒ぐ」などです。これはママにも共通する育児ストレスといえるのではないでしょうか。
ただ、この“子どもの自己本位な特性”の中には、パパに特徴的な内容も含まれています。
それは、「かわいがっているのに“お母さんのほうが好き”といわれたとき」「“パパ嫌い”といわれたとき」というものです。
お子さんからのこうした発言によって「自分は子どもに愛されていない 」といった育児疎外感を抱いているパパは多いといわれます。
そして、この育児疎外感によって「ママの方が子どもは喜ぶから、ママに育児をまかせよう」「子どもはママがいいといっているし、(自分は)早く家に帰らなくてもいいや」といった風に考えてしまうパパもいるのではないかと思います。
そうなると、パパとお子さんの関わりはますます減り、ママの育児の負担だけが重くなるという結末につながりやすくなります。
また、パパの育児への関わりが減ることは、ママの育児負担が増えるだけでなく、お子さんの成長にとっても気になる面があります。
なぜなら、子育てに積極的なパパのもとで育った子どもは、“知能や社会性が豊かになる ”といった指摘があるためです。
お子さんに「ママの方がいい」「ママの方が好き」といわれて悪い気がするママはいないと思いますが、もし夫婦で仲良く力を合わせて子育てをしていきたいと考えているのなら、お子さんがパパの前で「ママの方が好き」と言ったときには注意しましょう。
ママがすぐにできることの1つは、パパに子どもの“発達プロセス”を理解してもらう ことです。
たとえば、パパには「“ママが好き”というのはスクスク成長している証だって本に書いてあるよ」