2016年4月4日 20:00
ショック死のリスクも!? 「子どもの食物アレルギー」の特徴と注意点
●新たなアレルゲンとの出会いに注意〜年齢による原因食物の違い〜
アレルギーの原因食物は年齢により異なり、乳児では鶏卵、牛乳、小麦が多く、学童期以降では甲殻類、果物類、小麦が多くなるということをご存じでしょうか。
このように、入園前までは鶏卵や牛乳、小麦といったアレルゲンへの心配を主にしますが、幼児期に入ると食べ物の幅も広がりますので、新たなアレルゲンとの遭遇が気になります。
子どもたちが新たに出会う食材の中でアレルギーが心配されるのは、エビ、カニ、ピーナッツ、そば、イクラなどが一般的に有名です。
世の中のママたちは情報が豊富な環境で子育てをしており、「この食材は危ない」という知識がたくさんあるのですが、逆にそれが仇となっているということもあります。
アレルギー反応を引き起こす危険がある食材は、家庭で積極的には子どもに与えない傾向があるというのが問題なのだ という専門家の指摘があります。
つまり、幼稚園入園前に家庭でこれらの食材を食べる機会がなかったお子さんが、給食で初めて食べることになるということがご相談者様のような心配の原因にもなってしまいます。
そこで、給食が始まる前にさまざまな食材を家庭で食べるということが、その心配を解消するひとつの方法でもあると言えると思います。
もちろん、すでにアレルギーの診断を受けているお子さんの場合は、必ず医師の指導のもとで慎重に行う必要があります。
●口腔アレルギー症候群
前出の「食物アレルギーの診療の手引き2014」の中に、年齢別新規発症例の内訳が示されています。
4〜6歳の子どもの新規発症例1位は果物で16.5%となっていますが、この調査は非常に興味深い結果を表していると思います。
食物アレルギーはタイプにより大きく4つに分けられますが、その中のひとつである“特殊型”に分類されるのが『口腔アレルギー症候群 』というものです。
どんな症状なのか?果物や野菜を食べた直後に口の中がイガイガしたり、口の中が腫れたりする症状が特徴的です。
その他、花粉症の症状に似たくしゃみや目のかゆみなどもあります。果物や野菜の中には花粉症の原因となる物質と同じものが含まれる場合があり、それらを食べると花粉と同じ抗原だと勘違いしてアレルギー反応が出ることがあるそうです。
症状がひどい場合、吐き気や腹痛、喘息のある人だと呼吸困難を起こし、いわゆるアナフィラキシー状態でショック死することもある そうです。