ラクな仕事のワケがない!? 「保育園・幼稚園」のブラックな労働環境
「ほんわか癒し系」なだけではとても務まらない超重労働、それが保育園・幼稚園の先生方の現実です。
昨今「保育士の待遇が悪すぎる」という声が上がっていますが、世間の一般的なイメージもまだまだ、先生方の大変さを理解しているとはいいがたいものです。
日ごろ育児に関わっていない人たちや一部の男性にとっては、未だに「女性であれば務まる仕事」「子どもの相手をしていればよいラクな仕事」「癒し系の仕事」というイメージであるようです。
先生方の待遇改善政策がこれまで遅れをとってきた背景には、こうした間違った先入観も大きく横たわっているのではないでしょうか。
●保育士、幼稚園教諭にはなりたくない! 人材不足の背景に“ブラック”な現状あり
ご相談者様はお子さんを幼稚園に通わせておられるようですが、そもそも幼稚園の先生と保育園の先生では、所持資格が若干違っているということも認識しておきましょう。
『保育士』は厚生労働省の管轄、『幼稚園教諭』は文部科学省管轄の管轄であり、それぞれ保育時間や指導内容に違いがあります。
幼稚園で勤務するには幼稚園教諭の免許が必要であり、幼稚園には保育士と幼稚園教諭両方の免許を持っている先生もいます。
しかし、両者の待遇の間にはあまり差が無いのが実態であり、最近よく言われている“待遇の悪さ”もほぼ同レベル であると言えます。
ここで保育士の意識調査の結果を見てみましょう。
以下の調査結果は2013年5月にハローワークが行ったもので、「保育士の資格を持っているのに、保育士としての就業を希望しない求職者」2,033名を対象にしています。
有効回答者958名のうち、各年代の多くが「賃金が希望と合わない」という理由で「保育士として働きたくない」と回答しています。
また、賃金の低さと並び「就業時間が希望と合わない」、「休暇が少ない」なども多くの回答を得ています。
保育士、幼稚園教諭の月収は全国平均で20万円ほどで、手取りにすると月に13万円~15万円くらい 。
これは他の職業の平均月収よりも10万円ほど低い数値であり、時給換算にするとスーパーやコンビニでのアルバイト以下 ということになります。業務内容の大変さや責任の重さ、勤務時間の長さとのバランスを考えると、いわゆる“ブラック企業”状態といっても過言ではありません。
●“保育士>医師”という国もある! 海外での保育士の立ち位置とは
諸外国に目を向けてみると、保育士の待遇が日本以下という国もたくさんある一方で“医師より保育士の方が良い待遇を受けている”という国もあります。