理不尽なリスクを背負う? 恐るべき“いじめ後遺症”の実態と向き合い方
筆者の旧友の精神科医も示唆しているように、まともな感性を持っている周囲の人間がいじめ加害者たちにおのれの犯罪行為を自覚させてやらないことには、罰だけを与えたところで何も解決しないというのが本当のところなのではないでしょうか。
念のために、筆者の知人の弁護士に確認をとったところ、学校内で児童・生徒に対していじめ行為を行った場合には、たとえ11歳・12歳であっても少年院への送致がなされる可能性があるとのことです。
また、重大事案であれば14歳で逮捕される場合も十分あり得る とのことでした。
「軽いノリで友だちをイジメることくらい、逮捕までされるようなことではないだろう」といったいじめ加害者たちの頭の根底にある意識を、学校教育の現場などを通して変えていかなければ、茂雄のように『いじめ後遺症』で何十年という歳月を海底で過ごすことになってしまう理不尽は、後を絶たないのかもしれません。
【参考文献】
・『Adult Health Outcomes of Childhood Bullying Victimization: Evidence From a Five-Decade Longitudinal British Birth Cohort”(AJP,2014) written by Ryu Takizawa,M.D.,Ph.D. ,Barbara Maughan,Ph.D. & Louise Arseneault,Ph.D.』
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)