子育て情報『健康管理しすぎは逆効果? 医師たちが語る“フィンランド症候群”の根拠』

2016年10月11日 18:00

健康管理しすぎは逆効果? 医師たちが語る“フィンランド症候群”の根拠

学校も仕事も休んだことがないくらい丈夫な筆者が、健康診断の結果の数値を気にするがあまり心を病んでしまった わけです。

筆者はその後、お酒もタバコもやめていわゆる“摂生”を心がけたのですが、その3項目に関しては数値はあまり改善しないまま今日に至っています。

そうこうしているうちに40代に入ったころでしょうか。腹部にちょっとした違和感を感じてかかった都内内科クリニックの院長先生(50代男性)が、こう言われたのです。

『血液検査の結果に3つほど気になる数値の項目はあるけれど、それ自体には腹部の違和感との関係はない。今、違和感がもう消えたのであればそれでけっこう。数値よりも症状が大事。

仮に万が一、検査結果数値が警鐘を鳴らしているような珍しい病気が潜んでいたとしても、その確定診断を受けたところでその病気は癌などとは違って現時点の医学では完全には治せませんよ。
癌なら早期に発見すれば大方治せますがね。

だから診断を確定することに無為な時間を費やすよりは、仕事もプライベートも思い切り楽しんで天寿を全うすることの方がよほど素晴らしい生き方ではないかと私は思います』

筆者は目から鱗が落ちるように気持ちが晴れ、うつ状態もこのお話を聞いた日を境に治りました。

その内科医によると、おそらく腹部の違和感も心身症的なものであったのではないかということでした。

現在でも3つの項目の数値は正常範囲外ですが、仕事も日常生活も何の問題もなく、一般的な50代の男性よりも健康だと自分では思っております。

うつ状態に陥っていたころの筆者はフィンランド症候群でいうところの第1のグループ、すなわち“ガチガチの健康管理によって精神に大きなストレスを受け、心が健康でいられなくなった 人々”の類型に属してしまっていたのだろうと思います。

もちろんだからといって健康のことを全く気にせず酒もタバコもやりたい放題でいいというわけではありませんが、人間にとって一番の健康法は健康を気にしすぎずに楽しく生き生きとした日常を送ることであることだけは間違いないようです。フィンランド症候群の事実がわたしたちに教えてくれていることも、そういうことなのだろうと思うのです。

【参考文献】
・『50歳からの活力人生』和田秀樹(著)
・『安らかな死のための宣言』ロラン・ジャカール、ミシェル・テヴォス(共著)

【参考リンク】
・フィンランド症候群 | 菊川歯科(http://www.kikukawa-dent.jp/article/14273738.html)

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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