大人女子ブームの罪? 日本の不妊治療スタート年齢が遅すぎるワケ
こんにちは。婚活コンサルタントの菊乃です。
内閣府による結婚支援のあり方を考える有識者検討会のメンバーである『ニッセイ基礎研究所』の天野馨南子(かなこ)研究員にインタビューさせていただきました。
●不妊治療は34歳までが効果的? 出生率1.9のフランスに学ぶ常識
日本の第一子出産の平均年齢は30.8歳(2015年)。出生率は1.46。これはOECD加盟国の中でも非常に低いです。
『日本人は生物学的限界に対する知識が薄く、卵子を凍結保存すれば、生理さえあれば、いつでも産めると思っていた方が少なくありません』と天野さんは話します。
先進国でもっとも出生率が高いフランス(2013年比較:フランス1.99、日本1.43、イギリス1.83、ドイツ1.40)。
フランスは、日本と同様に女性の大学などの高等教育機関進学率も41%(2009年)と低くはなく、その大卒女性を含めても平均2人の子どもを産んでいるのは、出産に対しての知識・支援が進んでいるからです。
フランスでは不妊治療は保険適用です。そして、不妊治療患者さんの平均年齢は34歳ですし、43歳の誕生日の前日までしか治療をうけられません。
ところが日本では不妊治療に来院する女性の3割が40代 。中には20代にはすでに結婚していた夫婦までも含まれるといいます。
日本では不妊治療開始の最も大きいゾーンが39歳、40歳。その一方、フランスでは患者の平均年齢は34歳 なのです。
例えば日本では、34歳で不妊治療を受けた場合の出生率(生きて生まれる子の割合)は18%。
ところがこれも、39歳では10.3%、40歳では8.1%、45歳では0.7%です。
この数字の中には、残念ながらこの世に生を受けることはできても、あまり時が経たないうちに亡くなってしまった赤ちゃんの数も含まれています。
かつて少子化を経験したフランスが出生率増加のために打ち出したスローガンが、『産みたいときに赤ちゃんを、ではなく、産める時に赤ちゃんを』(1990年代)というものでした。
これは高齢出産に伴う母体リスク(高血圧や糖尿病などで急死するなどの割合が上昇)から女性の健康や命を守るための意味もありました。
今の日本でも同じことが言えるのではないでしょうか?
「昔の30歳と今の30歳は違う。昔はおばさんだったのに、今の30歳は若い」というのも、よく聞きます。