プリントを隠す!? ADHDの子どもにありがちな行動とその心理
息子への説教が長引くと、彼もポヤ〜ン……とした表情になってきます。叱っている親の立場からすれば「まったく、何を考えているんだか……」と悩ましいところですが、はっきり言って私の場合何も考えていませんでした。
叱るときはスパッと明確に。グチグチと感情を引きずるようなお説教からは何もメリットが生まれません。
●「このままじゃヤバい」ということは分かっていた
最後になりますが、ここでお話ししたエピソードのときも、そうでないときも、子ども時代の私がいつだって抱き続けていたある悩みを紹介します。
それはズバリ、「このままじゃ、私はヤバい! 」という焦燥感。
同級生に比べてできないことが多すぎる自分、いつも誰かに嫌われてしまう自分に対し、私自身ももがき苦しんでいたのです。
プリントを隠しながら、提出物を踏み倒しながら、真剣に叱っている大人の顔で空想しながら、「どうにかしないと、どうにかしたいのに……」と、いつだって“デキる自分”に憧れ続けていました。
たしかにADHDの子どもの育児は大変です。何度言い聞かせても、叱り倒しても、何事もなかったかのように同じミスを繰り返し続けるわが子 にうんざりするママも多いはず。
しかし、どうかお子様本人もその苦しみの当事者で、改善を誰よりも望んでいるということを知ってあげてください。
何を考えているのか分からない表情の裏では、きっとママと同じ顔をして悩んでいるはずです。
●ライター/木村華子(ママライター)