大会登録人数、調整するなら女子全員外せ!? それって正しい判断なのか教えて
いつもみんなを試合に出すよ。そんな姿勢でやっていれば、その子もうまくなります。
なかなか伸びない子がいたとしても、その子が試合に出るのが当たり前にしていれば、「ぼくらのチームは全員試合に出るんだから、あの子を助けてあげよう」とカバーする気持ちが生まれます。
上手い子しか使わない。チームの足を引っ張る子は使わない。そんなチームでは、子どもの自発的にカバーする気持ちは芽生えません。
6年生が全員出ていてもおかしくありません。親や子から文句が出ることはないです。
でも、6年生になってみんなを出すには、下の学年からそのような全員出場を貫くことが重要です。そういった全員が経験する積み重ねが6年生にもつながります。つまり、チームの底上げができるのです。
■元日本代表監督オシムさんの底上げ方法
(写真はイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
それはプロでも同じです。
私はイビチャ・オシムさんのトレーニングを目の前でみてきました。その時代クラブに在籍した25人の選手たちは、みんなが同じように練習をしていました。結局どの選手もそん色がない状態になりました。
当然試合の機会も全員同じようにありました。
「あの選手、大丈夫なの?」と心配された選手が、ゲームに出るといいプレーをします。底上げができているので、全員が上手くなる。なるほど、そんなふうになるんだと感動しました。
みなさんも、オシムさんのように選手にわけへだてなく接してあげてほしいです。
池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。
幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。