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難しく捉えがちな栄養について、専門家にわかりやすく解説してもらう連載の2回目は、前回の記事で教えてもらった基礎知識を踏まえて、毎日の食事のなかで栄養を効果的に吸収していく方法をご紹介します。
とは言っても、1日3食、または子どもたちが学校で食べる昼食以外の2食を完璧にしましょうという話ではないのでご安心ください。引き続き、食事と栄養について教えてくれる柳生百々子さんは、私たちのイメージする"よい食事"が必ずしも「栄養素のバランスが摂れた身体によい食事」とはかぎらないと言います。
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■がんばり方を間違えないで"よい食事"への価値観を変えよう
「365日、完璧な和食を出している家庭があったとします。その努力は素晴らしいことですしなかなかできることではありませんが、それが完璧な食生活かといえばそうとは言えないんです」
和食は無形文化遺産にも登録された日本が世界に誇る健康食。下準備に手間を要する繊細な料理としても知られますが、それが完璧な食事ではない?一体どういうことでしょう。
「"バランスよく"という点で和食はすばらしいのですが、栄養素が揃っていても、調理法によって摂れる栄養素の量や質は違ってくるんです」
柳生さんによると、どんなにバランスの取れた食事でも、同じ食材ばかりを食べるのはNGで、いろいろな食材を調理方法を変えて食べたほうが、トータルでみるとバランスの取れた食事になると言います。焼き魚に味噌汁、ごはんや納豆といった、いわゆる旅館のような朝ごはんを毎日つづけるよりも、チーズトーストにスクランブルエッグ、新鮮な生野菜たっぷりのサラダなどの朝ごはんを織り交ぜたほうが、多様な栄養素が取れるのは納得です。
さらに、同じ栄養素でも和食、洋食、中華などそれぞれの調理方法によって、吸収のされ方に違いがあるというのです。
「同じ卵でも、和食と洋食では調理方法も違えば一緒に使いやすい食材も調味料も違いますよね」
連載の1回目で教えてもらったように、栄養素は単体で摂っても効果的には働かないどころか、摂取量がいちばん少ない栄養素に足を引っ張られてしまいます。だからこそ、一食にお金や情熱を費やすよりもバリエーションが大切なのです。完璧な和食だとしても毎日同じメニューは必ずしもよくないというのは、栄養素のバランス、吸収のメカニズムをわかりやすくするための極端な例ですが、柳生さんが伝えたいのは「バランスの取れた食事の認識や栄養の吸収に関して、高級食材だからとか、手間ひまのかかった料理を作らなければいけない」