2021年3月5日 18:17
楽しい指導より厳しい指導が良いのでは。という保護者を説得する方法は?
また、保護者とも可能な限り話します。
私が最近新たに始めたチームで、フニーニョ(※ドイツで発祥したミニサッカー。ミニゴールを4つ使い3対3で行うミニゲーム。近年ドイツサッカー連盟が9歳以下の試合に導入を推奨した)の交流会を開催しました。
試合のあと、私は保護者にこう言いました。
「真剣に守っているように見えないですね。皆さん、どうですか?」
すると皆さん、一斉にうなずいていらっしゃいました。
「そうですね。
次はもっとしっかり追いかけるようになるといいですね」と話しました。そんなふうに、次のステップが何なのかをしっかり親御さんにも伝えます。それを続けていくと、親御さんたちの姿勢は相当変わります。
■楽しむことがモチベーションにつながる、という解説もしてあげる
それと同時に、サッカーを楽しむことが子どもたちのモチベーションにつながるという解説を、保護者にしてあげたほうがいいでしょう。昔から「好きこそものの上手なれ」と言われますね。サッカーが大好きだからこそ、真剣にやる。そうすることで、技術は身につきます。そのことは、スポーツ心理学の学びの中でも証明されています。
とはいえ、物事に対する子どものモチベーション(動機付け)は、最初の段階では外発的なものが必要です。楽しくなるために、熱中できるために、コーチがどんな活動環境を提供してあげられるか。そこが問題です。楽しいからこそ真剣に取り組むのですが、そのうち気づけば誰も笑っていません。集中します。
■「楽しい」はワイワイキャーキャーすることではない。真剣に楽しむことを教えて
「子どもはサッカーを楽しみましょう」
そんな価値観が広まってきたのは悪いわけではありませんが、私からすると「楽しい」がまだ甘いように感じます。ワイワイ、キャーキャーと歓声を上げるのが楽しい、というレベルで終わってないでしょうか?
さらにもっと楽しくなると、笑うことはなくなります。
まさしく集中し、ゾーンに入る。練習の中で白い歯を見せて笑っている子がいなくなります。そこをぜひ目指してほしいのです。徐々に真剣になっていく。そんな空気を作るために、常に勝ち負けのあるメニューを考え、子どもたちと対話し、要求を高めていきます。
そこを、「笑っている子をなくす」「真剣に取り組む」といった、姿勢というか「かたち」から入ってしまうと、態度への注意が増えます。