目的は一緒なのに、コーチ間で練習メニューやアプローチに相違が。指導方針のギャップを埋めるにはどうしたらいい?
各々のコーチに任せず、指導の均一化を図るには、マニュアル化してしまうことも考えられました。そうすれば、指導がブレず進むかもしれないというわけです。
■練習メニューは山ほどあるのだから、それぞれのコーチが何をしてもよい
しかし、そうした場合「コーチのパーソナリティー(個性や判断)はどうなるのか?」といった異論も出てきました。
そこを重要視するならば、指導の根幹となる部分(ビジョンや哲学)は共有しよう。ただし、そこからズレてしまってはいけないことはきちんとアナウンスする。その範疇で指導できそうならば、各コーチに任せた方がいいのではないか。そんな議論をたくさんしました。
加えて、練習メニューの選択にも共通認識を持つことを大事にしました。
練習メニューは山ほどありますから、何をしてもいいわけです。
■枝葉の議論でなく、おおもとの目的をテーマに話し合ってみよう
そのなかで「ドリブルかパスか」みたいな、前回のこの連載でさせていただいたような話もたくさんしました。
「いや、パスを重視すべきだ」
「いや、どちらかに偏って指導するのではなく、クローズドスキルの時間を減らせばいい」
そういった議論を重ねました。
つまり、議論の内容は、常に枝葉の部分ではなく、おおもとのところをテーマにしてきた気がします。例えば、子どもがうまくなっていくことってどういうことなのか?自分で判断する重要性は何なのか?視野を持たせて自分で情報を集める能力をつけないと、上に行って困るのは子どもではないか?
そうすると「みなさん、選手が自分で判断できるようになる練習をやってください」と言えばいいだけでした。
■サッカーの要素が全部あるメニュー
さらにいえば、この年代にはこの練習が良いという指針は特に設けません。それは今も同じです。良い練習とは、サッカーの要素が全部あって、子どもがらせん階段をのぼっていけるようなメニューが一番です。そう考えると、ゲーム(ミニゲーム)が一番です。
指導者は、ゲームをする際の「設定」を、その年代の特徴を考慮して考えればいいだけです。その年齢ごとに、仲間を認識できる広さや人数を調整する。例えば、幼児なら人数は、2対1や2対2など、味方は自分ともうひとりだけ。コート(グリッド)は狭く設定します。
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■どんな練習メニューをするか、の前に大事なことは......
(写真は少年サッカーのイメージです。