実は大人の方が危険!? 「大人ならではの事情」で熱中症にならないために知っておきたい正しい熱中症対策
それが熱中症の原因にもなります。
「東京五輪のWebサイトに『暑熱順化には1~2週間かかります』と書いてあるように、少なくとも1週間程度前から、暑い環境に慣れておくことが必要です。それをせず、急に暑くなった日に長時間外に出て運動などをすると、熱中症になるリスクは高まります」
■水分補給ではなく、失った汗の成分を補給する感覚で
「熱中症予防として、必要なのは水分補給です。暑い中でサッカーの試合を見ていると、じっとしているだけでも汗が出ます。常に飲み物を携帯して、お子さんの試合中に給水タイムなどが設けられていると思いますので、それに合わせて電解質の含まれた飲み物を飲むと良いと思います。最低でも、ペットボトル1本は持っていってほしいです」
さらに、こう続けます。
「汗の成分には、塩分やミネラルが多く含まれています。そのため、水分に加えてそれらの要素も補給しましょう。
水分補給ではなく、失った汗を補給する感覚がポイントです」
熱中症には、だるさ、頭痛、嘔吐といった熱疲労の症状や、一過性意識消失といった熱失神の症状のほかに、大量の発汗による脱水時の不適切な補正により、電解質異常、特に低ナトリウム血症に起因する有痛性の筋痙攣(いわゆる熱痙攣)が起きることもあります。これらの予兆が出たら、要注意と言えるでしょう。
■睡眠不足も熱中症の大敵
熱中症予防の観点からは、サッカー観戦の場所にも意識を向けたいところです。
「体の外から入ってくる熱を輻射熱(ふくしゃねつ)と言うのですが、コンクリートの上で観戦するのと、芝生など、熱を吸収してくれるものの近くで観戦するのとでは、熱の伝わり方が違います。なるべく自然の中で、熱を吸収してくれるものの近くで観ることをおすすめします」
サッカー観戦時、長時間外にいるだけでも体力を消耗します。そのため、体調管理に意識を向けることも、熱中症予防の観点からは大切なことです。とくに大人は不規則な生活になりがちなので、生活習慣も含めて見直す、いい機会かもしれません。
「肥満者は熱中症のリスクが高いので、とくに気をつけていただきたいと思います。
体調管理という意味では、睡眠不足も大敵です。自律神経系が滞ってしまいます」
■朝ごはんもしっかり食べよう
朝食を食べずに外に出て、暑い中で長時間活動するのも避けたほうが良さそうです。
「朝食を抜くと血糖値が低いままなので、体が疲れやすくなります。