試合になると独りよがりな子に、質問形式で問うてもすねる。勝気な子への対処法どうしたらいい?
と認めます。そこが大事です。
スモールステップで認めていくと、子どもたちも達成感を持てます。やったぞと思えて自尊感情が高まれば、自分が聞きたくないアドバイスや、答えたくない問いかけも素直に聞けるようになります。
■普段とは違う2割のプレーをほめてあげる
この話の対象は中学生で、相談の方が教える年代とは異なりますが、対応は同じでいいのです。鳥かごでうまくパス回しができない。試合形式になるとドリブルしかできない。そんな彼がズバッと一本のパスを通したときに「いいぞ」と言ってあげるのです。
試合の8割ドリブルしたとしていても、それとは違う2割のプレーをほめてあげることが大事です。まだそれだけしかできないの?などと言ってはいけません。小さな上達を認めながら、コーチは毎回見てくれている、といった感覚や安心感をもってもらいます。
たとえパスが通らなくても「誰にパスしたの?」と聞いてあげます。子どもは「あいつにパスした」と答えれば、「じゃあ、次はパスするときその子の名前を呼んで読んであげたら?」といったアドバイスができます。
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■コーチングの師匠を見つけるのも一つの方法
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
コーチとして学びを深めたいと思ったら、ご自分のお手本にしたいと思えるようなコーチングの師匠を見つけてはどうでしょうか。まずはその人の模倣をし、少しずつ自分のスタイルを作り上げればいいのです。
私は40歳になったくらいのとき、ある場所で指導していたら、ジェフやサンガで一緒に仕事をした祖母井秀隆さんをご存知な人が私に話しかけてくださいました。
「立ち振る舞いや言葉使いが、祖母井さんとそっくりですね」
それを聞いたとき、私は非常にうれしかったです。私自身、ドイツで指導を学ばれた祖母井さんを師と仰ぎ、彼から多くを学んできました。そんなふうに、コーチングの礎になるような人につくことも考えてはいかがでしょうか。
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池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」