幅とスペースの使い方、裏に抜ける意識 ワーチャレ優勝センアーノ神戸が11人制で見せたサッカー脳の高い戦い方
先日開催されたU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ。優勝したセンアーノ神戸ジュニアは「止める・蹴る」の技術レベルの高さが注目されました。
大木宏之監督の育成は、低学年から自分たちで決めさせるなど、主体性を育てる点に特徴があります。最近では練習試合を減らし、紅白戦を増やしているというやや意外な話も。
今大会だけではなく、中学以降も大事になるサッカーのベース、必要なスキルなど育成年代で大事なことなどを伺いました。
(取材・文:貞永晃二、写真:浅尾心佑、吉田孝光)
優勝したセンアーノ神戸ジュニア(写真:吉田孝光)
■11人制は1人当たりのスペースが大きい
今大会は、グループリーグからR16まで無失点で4連勝、準々決勝では0-0と苦しみましたがPK戦で勝ち上がりました。最終日第一試合となった準決勝で今大会初失点を喫し一旦は0-2とリードされたが粘り強く戦い同点として再びPK勝ちで決勝進出。決勝では持ち前の攻撃力を爆発させる大勝で見事優勝を果たしました。
R16勝利後インタビュー
――今大会にはどういう思いで臨まれましたか?
大木宏之監督(以下、大木)ジュニアユース年代の11人制は、ジュニアの8人制とは大きく違う点がいっぱいあります。特に1人当たりのスペースが大きいため、しっかり技術を発揮したサッカーを目指してやってきました。対戦する相手もいいチーム、いい選手ばかりなので、練習の成果をしっかり発揮できるように意識しました。
――試合前に選手に向けて選手たちに3つのことをお話しされていましたが?
大木自分たちのサッカーは、中盤に落ちて、受けて、出し入れしながら前進するサッカー。前を向くということを意識しよう、と言いました。僅差になるのが分かっていたので、シュートチャンスを逃さずにやろう。ゲームの流れの中で最後はお互いのいい声、仲間を信じてポジティブに声を掛けてサッカーしよう。という3つのことを話してゲームに臨みました。
――クラブの育成として主体性を大事にされていると聞きますが、できていましたか?
大木そうですね。今大会の試合途中も、フリーキックを誰が蹴るか、ゴールキックを誰が蹴るかとか、常に選手が自分たちで決めていました。今日選手を一人入れ替えたんですが、それも選手と相談して決めました。
■「笑顔でいい声かけをして、仲間のいいプレーを盛り上げよう」と言った
センアーノ神戸の大木監督は、試合前選手たちに「仲間のいいプレーを盛り上げよう」