強豪クラブで試合に出られなくなった息子にどう接すればいいのか問題
ためにやってあげられることは特にありません。
ひとつあるとすれば、いつも通り淡々と接することです。万が一、いつも淡々と接することなく、世話を焼いたり、子どもに「うるさいな」と嫌がられるような言動があるのだとしたら、即刻やめたほうがいいでしょう。
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■親の心配が子どもにとっては重荷になることも
小学5年生は「前思春期」と呼ばれ、第二次性徴を迎える思春期の前段階です。自我が芽生え、自分が周りや親からどう思われているのか、どう評価されているのかに注目するようになります。
そんな時期に、自分を心配しているお母さんの存在は、息子さんにとって重荷になりかねません。
「自信のないプレーが目立つよ」
「メンタルも弱くなってるよ」
「ママは這い上がって欲しいんだよ」
そういった言葉を出さずとも、お母さんのパッションを子どもはそばで痛いほど感じるものです。
■試合に出られない、周りに抜かれるという焦燥感を覆せるのは「サッカーへの愛情」
小さい時は他の子どもより秀でていたのが、高学年になり周囲が体格やスピードで追いついてきた。サッカーの理解度や視野や判断スピードなど、もうひとつ上のフェーズになってきたということでしょう。そのことを、時間をかけて理解していくのは息子さん自身です。
いってしまえば、お子さんのピンチを救うのは親ではありません。彼を救うのは、いま目の前にいるお母さんではなく、これまでの子育てのありようです。
試合に出られない、みんなに抜かれていく――
そんな焦燥感や劣等感を彼が覆せるとしたら、それはサッカーへの愛情です。小さい時からやってきたサッカーがいかに好きかどうか。サッカーを好きな気持ちがあれば「今は試合に出られないけれど頑張ろう」とか「練習だけでも楽しいし、ま、いっか」と思えるはずです。
そう思える子は、親御さんが「楽しくできればいいよ」という少年スポーツで最も大切な価値観を伝えています。
■出られない→移籍を繰り返す親子もいる
ところが、そう思えない子どももいます。試合に出られなくなると、他の強豪チームへ移籍します。そこでも出られないと、また違うチームへ移ります。
そのようなジプシー生活をするお子さんはどの地域にもいるようです。その場合、親御さんが試合に出ることでしか評価していなかったり、やらせたいと思うポジションで出場させてくれるクラブを求めて移籍し続けます。