「子どもの事を見てくれてると感じさせること」強豪街クラブ・センアーノ神戸に聞いた保護者対応のカギ
サッカー指導者の悩みで多く聞かれるのが「保護者対応」。子どもの出場機会やポジションについて口を出してくる保護者の対応に苦慮しているチームも少なくありません。
かつては保護者と言い合う事もあったと言いますが、現在では大変良好な関係性を築いている強豪街クラブ・センアーノ神戸の大木宏之監督(以下、大木)に、保護者対応について伺うこのインタビュー。
後編では、どんなふうに保護者とのコミュニケーションを深めているのか、具体的に紹介します。
(取材・文:貞永晃二)
センアーノ神戸の選手たち
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■試合報告とともに、指導者も勉強していることを伝える
――最近はサッカー経験のある親御さんもいると思いますが、それゆえの子どもへの指導の難しさを感じられますか?
大木やっぱり難しいですね。でもそこは自分らがその親御さんよりも勉強しているということをちゃんと伝えます。チームのホームページがあってその日の試合のコメントを書きますが、そこできちんと今日取り組んだ内容を書くようにしています。
そうすると、私たちがきちんと意図を持って試合をしていることを理解いただき、変な誤解が出ないようにしています。
あと、保護者の方と飲む機会もあり、そこでちゃんと話ができます。
■「子どものことをちゃんと見てくれてる」と感じさせることが大事
――そういう関係性を築かれているから親御さんから不満が出ないんですか?
大木いやゼロじゃないですよ。いっぱいありますよ。例えば学年によって試合に勝つのが難しい年があるので、下の学年の子を入れる。そうなるとその学年の子の保護者からは「下の学年を出すんですか」みたいな、ちょっと嫉妬のようなものを感じることはあります。
――飲み会で話をすることで"ガス抜き"をする感じでしょうか?
大木ガス抜きの意味もありますし、こっちの方針みたいなのもちゃんと伝える機会にもなります。8割ぐらいは雑談ですけど、2割は真面目な話をしていますかね。
乾杯とか挨拶のタイミングで自分の思いを少し喋ったりするようにして、だんだんお酒が入ってきたら、保護者から個別に相談とかくるので、それには真摯に対応します。
――飲み会は定期的に開催されるのですか?
大木決まってはいません。