試合で相手にボールを譲る消極的な息子を何とかしたい問題
行動の背景には「ちゃんとしてほしい」「わが子が他者によく見られたい」という虚栄心が見え隠れし、痛々しく感じられました。ほかにもシャツが入ってない子どもはいました。邪魔と感じれば自分で入れればいいのです。
今回ご相談くださったお母さんの精神状態は、まさにこのシャツをインしたくてたまらない女性と同じような気がします。
いわく「ゴールできそうな場面でシュートを決めようとする姿勢が見られない」「相手にボールを譲ってしまう」と、わが子が「できないこと」に焦ってしまい、居ても立ってもいられません。
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■子どもは親にがっかりされると余計に自信を失う
お母さんの子育て全般は相談文だけではわかりませんが、書かれてあることだけで見ると「自分の理想の姿ではない息子」にイライラしているように見えます。無論、ゴールをバンバン決めて、相手のボールを強引に奪って見せれば、お母さんは誇らしい。そうではないことに、嘆き悲しんでいるように見えます。
子どもは、自分のことを一番わかっていて、最も身近な親からがっかりされてしまうと、余計に自信を失います。この「自信」は「自己肯定感」といって、「何があっても自分は大丈夫」「僕は今の僕でいい」「今の僕をお母さんは大好きなのだ」といった自分を肯定する力です。
この自己肯定感はエネルギーの素。子どもという小さな車がグングン前に進むためのエンジンなのです。
つまり、親が「うちの子はあれもできない。これをやろうとしない」と嘆き悲しむのは、車からガソリンを抜いているようなものです。その一方で、息子さんのことを「人と争うようなことが嫌い」と書かれているように、お母さんは息子さんの性格を知っています。であれば、そこを息子さんが自分で乗り越えるのを気長に待っていればいいのです。
■子どもは変わっていくもの!サッカーの面白さに目覚めると積極的になることも
息子さんはサッカーが好きで自分なりに頑張ろうとしているのだろうと思います。人を押しのけてまでぐいぐい行くことができないのかもしれません。このような子どもは珍しくありません。うちの息子も2年生くらいまでは常に団子サッカーの最後尾を走っていました。試合をすれば自ら守備側に回り、前に出ようとしませんでした。そんな性格なのです。
しかしながら、だんだんサッカーがわかって来て、サッカーの面白さに目覚めると、自分からゴールに迫ったり、体をぶつけてボールを獲りに行くようになりました。