試合で相手にボールを譲る消極的な息子を何とかしたい問題
サッカーが「そういうもの」であり、それが日常なので抵抗がなくなるわけです。
息子さんはまだ7歳。今はまだ「お目覚めの前」なだけです。2、3年、4年生くらいになったら、例えばコーチの方から「あんなに怖がってたのにすごくアグレッシブにプレーするようになったね」と言われるようになります。どんなコーチの方に聞いても「子どもは変わっていくものだ」と皆さんおっしゃいます。
■お母さんの気持ちが楽になる5つのアドバイス
(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
最後に、お母さんへのアドバイスを五つにまとめますね。
1)子どもには自己肯定感が大切。親が否定したり、他人と比べるなどしていないか注意しましょう。
2)自分が子どもに対して辛くなるとき、その感情が自分の虚栄心からくるものではないかと自分の内面や言動を振り返りましょう。
3)出来ないことがあるのは、伸びしろがあるということ。気長に待ちましょう。それでも気になるなら、子どものサッカーと距離を置きましょう。子どもの応援に行かなきゃ!などと強制するママ友は、自分の子どもがいつも試合に出ている人が多いです。やんわりと「自分の時間も持ちたいので」と断ればよいのです。
4)子どもを伸ばす親の多くは、泰然自若としています。ゆったり構えて、自分の趣味や仕事にまい進する時間を大事にしましょう。
5)「ありのまま」を受け止められないのは、あなたが悪いわけではありません。私たちの親の世代、日本の子育てが子どもを怒って発奮させ、心配して干渉することで道を誤らないよう管理する子育て観が多数でした。けれど「私は違う子育てをするぞ!」と考えましょう。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。
主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)