スタメンのレベルじゃない子を監督が贔屓。県大会出場が危ういです問題
■「誰か」ではなくあなた自身が監督と話しをしてみては
二つめ。
「誰か注意できる方がチームにいればいいのですが」と書かれていますが、注意するという行動は少し違う気がします。
保護者も監督も、子どもの成長を見守る地域の大人として全員平等であるべきです。明らかに規律を乱しているとかではないようなので、ここは監督さんに「全員と同じ温度で接してもらったほうがいいのではなか」といった話をしたほうがいいかと思います。お母さん自身が監督さんと話してはどうでしょうか。
■家でも「あの子が出たら負けるのに」なんて言っていませんか?
三つめ。
サカイクの読者が「この子を出したら負けるのに」といった感覚をもたれていること自体が、私にはショックでした。
全員が同じだけ出場機会を得る。小学生の場合はそれが理想です。監督も保護者もそのような状況にないのは百も承知ですが、であれば試合に出た子どもたちを応援するのがそこに集った大人のあるべき姿ではないでしょうか。
よもや、ご自分のお子さんに「あの子が出たら負けるのに、なんで選ばれるんだろうね」などとおっしゃってはいないかとは思いますが、お子さんはお母さんがそう思われていることを知ったらショックかもしれません。
もし、そうではなく「そうだよ、あの子が出ないほうが勝てるのに」と言ったとしたら、お母さんはどう答えますか?「そうだね。あの子が出ないほうが勝てるのに」とおっしゃるのでしょうか。
■チームに任せられない、親が口をはさむべきと思ったらみんなで意見交換をして変えていこう
(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
スポーツは楽しむためのものですが、その一方で教育的な要素もたくさん含んでいる素晴らしいコンテンツです。
勝ち負けは重要ですが、試合をするのは子どもたちで、サッカーが始まれば、そこはコーチと子どもたちの世界です。信じて任せるしかありません。
任せられない、これは口を挟むべきだと思えば、みんなで意見を交換して良いチームにしていくことです。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。