「勝ちを目指す以上に大事なものがある」アベーリャス千葉FCが選手育成で技術習得と同じぐらい大切にしていること
■ブラジル人コーチが選手に求める「ハッサ」とは
身につけた技術を試合で活かすために、フットサルにも取り組んでいるとのこと。
「私が学生の頃は、体育館で"サロンフットボール"をしていました。狭いスペースで小さくて硬いボールを扱うことで、技術や相手と駆け引きする力が身につきます。フットサルも同じなので、原理原則を教えながら、選手自身がプレーする中で、判断や技術を身につけていってほしいです」
アベーリャスにはブラジル人のコーチもいて、彼からは「ハッサを大事にしよう!」と言われているそうです。
「ペドロコーチは『サッカーにはハッサがないとダメだ』と常に言っています。
ハッサとは、日本語で『魂を込めてやる』という意味があり、体を投げ出してでもゴールを守るとか、球際を強く行くことなど、選手たちに言い続けています」
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■小学生と中学生を混ぜた練習は、中学生側にもいい影響がある
アベーリャス千葉FCジュニアユースの選手たち写真提供:アベーリャス千葉
ブラジルには年齢関係なく、ストリートでサッカーをする文化がありますが、アベーリャスでも、小学生と中学生を混ぜて練習する機会を月に2回設けているそうです。
「一番下は小学3年生、上は中学1年生までが一緒に練習しています。体育館で練習するのですが、サッカーに比べてコートが狭いので、時間やスペースがありません。小学生同士であれば通るパスも、足の長い中学生と試合をすると引っかかることもあります。それは、私がブラジルに行って、ブラジル人とサッカーをする中で経験したのと同じことなんですよね」
フットサルの場合、フィジカルやスピードの優位性が出にくいので、技術や判断、駆け引きといった要素が重要になります。
「小学生と一緒に練習をすると、中学生にもいい影響があります。うちのジュニアから上がってきた子は、小学生のときにボールコントロールの練習をしているので、ボール扱いができる子が多いのですが、他のクラブから来てくれた子は、技術的にまだ足りない子もいます。そうすると『小学生ができているのだから、自分もやらなくちゃいけない』という気持ちになるんですよね」
■トレーニングと食事と睡眠はどれも同じぐらい大切
サッカーの技術や戦術に加えて、成長期の中学生を預かる上で、生活リズムも大切にしているアベーリャス千葉。