自主練しない息子。モチベーションアップは親の役目ですか問題
そう考えると、子どもがサッカーを頑張るときはサッカーにはまった、つまり大好きになったときだと考えます。
■「好き」はとても大事な出発点
1万組超の双子を調査し、遺伝と環境の関係について調べている行動遺伝学者の安藤寿康(じゅこう)・慶応大名誉教授をインタビューした記事(『才能は生まれか育ちか遺伝、環境、努力、双子1万組を調査した答え』朝日デジタル=2024年1月8日)で、安藤教授はこう話しています。
「『好き』に加えて『できる』の組み合わせが天才の条件とも言えますが、入り口は結局は『好き』ということです。『好き』だけど『不向き』の組み合わせだったとしても、一流にはなれなくとも良きサポーターになれ仕事でも趣味でも生かせる才能になるでしょう。『好き』はとても大事な出発点です」
この言説は、私が何度か記事にしている「好きの破壊力」と類似しています。
※例えば別サイトの記事ですが、webフラウの連載『スケートボード金・堀米雄斗、11歳から支えたコーチが語る「好き」を育てた親の姿』(子育てアップデート53好きの破壊力=2021年8月2日/外部サイトに飛びます)を読んでみてください。
■子どもを「評価」するのではなく「観察」して待ってみよう
私は同じサカイクで連載をされている池上正コーチと仕事を始めて17年ほどになります。最初のころは子どもが小学生だったので、ワンオペ育児だった私は池上さんに自分の子育てを相談したことがあります。
「全然言うことを聞いてくれない」「思い通りにならない」「サッカーに興味があるのかないのかわからない」などと愚痴をこぼしました。そのとき、池上さんから「こうしたい、ああしたいじゃなくて、ああ、この子どうするのかな?と眺めていればいいんだよ」と言われたのです。
目の前の子どもをこうしたい、ああしたいと思っていると、力ずくで動かしたくなる。そうではなく「この子、どうするのかな?」とちょっと観察してみる。その言葉を信じて、「宿題しなさい」「ゲームやめなさい」と腹が立っても、じっと観察したのです。私からじっと見られていることに気づいていないはずですが、息子は「よし、もういいや。
お風呂入ろっと」とゲーム機をサッサと片付けて浴室に向かいました。
よく「子育ては待つことが大切」などと言われますが、まさにそれでした。私はせっかちで待てないタイプなので「待つ」