アンケート結果に基づいた小学校教員向け勉強会の開催レポート公開
結果、小学3年生と小学6年生の回答で「わからない」というキーワードが最も多いことがわかりました。小学3年生の場合は、知らない言語に初めて触れたことによる感想であり、小学6年生になるとまた違う「わからない」が出てくるのでは、と推測。これからの小学校英語教育では、「わからない」と感じている子どもたちにどのように教えればいいか、ということが課題である、と考察しました。
「言語の習得は、インプット(聞く・読む)→気づき→理解→内在化→統合→アウトプット(話す・書く)という順に進みます。よって、子どもが「わからない」と感じているということは、気づきが不十分ということ。」と瀧沢准教授。そこで、今回の講演では、基本表現の導入方法がテーマとなりました。
まずは教員が実際に体験したことなどを、わかりやすい写真やイラストを見せながら、学んでほしい表現を繰り返し使って紹介。そして、子どもたちに質問を投げかけながら、気づいているかどうか、意味を理解しているかどうかを確認。
このように、教員の体験を伝える、子どもたちの体験を伝える、といったやりとりを行う言語活動を通して、自然と学習内容に気づき理解させることで、「わからない」を軽減する具体的なアイデアが共有されました。
■ 第3部グループ・ディスカッション&発表
参加者が4、5人ずつのグループに分かれ、佐藤教授による課題(リスニング内容の導入アイデア)、瀧沢准教授による課題(基本表現の導入アイデア)を選び、授業のアイデアを出し合う時間が設けられました。
使っている教材や授業の取り組み、デジタル教科書やタブレット端末の普及状況は、全国各地でさまざま。各地の先生方がこれまで実践したことやアイデア、子どもたちの反応を共有しました。「〜でいつも悩んでいるのですが、みなさんはどうしていますか?」、「そのアイデアいいですね!楽しそう!」という声も多く聞かれ、先生同士の学び合いの場になっていました。
ディスカッション後には、いくつかのチームがアイデア内容を発表し、佐藤教授、瀧沢准教授がアイデアの良かった点や関連するアイデアなどをコメント。参加されている先生方が自由に質問できる時間も設け、とてもアットホームな雰囲気で勉強会が終了しました。
■ 【英語に関する小学生の意識調査概要】
■調査期間:2021年9月
■対象エリア:全国
■対象者:小学3年~6年の児童とその保護者
■調査方法:調査会社によるインターネット調査
■設問数:12問(定量データ7項目/定性データ5項目)