移動のたびに風景が変わるホワイトウォールに縁どられた暮らし
そしてまた、「壁を残したほうが室内の風景の変化が楽しめる」という桐さんの説明にも「実際はどうなんだろう」と思っていたという。
しかし住んでみるとその思いは大きく変わった。桐さんが言った通り、室内をさまざまに縁どる壁/フレームのおかげで移動のたびに見える風景が刻々と変わっていく。そして「壁があることで空間が区切られている意識もあって、子どもたちも“ここらへんで遊ぼう”と。わたしも片付けなどをする時などには“だいたいこのあたり”というふうになんとなく空間を区切ることができるのがいいですね」と話す。
リビングからダイニング・キッチンを見る。空間にさらに変化をもたらすために壁の開口部分の高さを変えている。
天井を抜く
とても低い印象があった既存の天井を取り払うという提案が出たのは最初の打ち合わせ時だった。
「天井を抜けば気積が確保できて気持ちのいい空間になるというのは予想していました。それで屋根裏をのぞいてみたら大きな気積があったので、やはり天井をはがそうということになりました」(桐さん)。
これで頭上に広々とした空間を確保することになったが、奥さんから「トップライトを付けたい」というリクエストが出されたため、視線が空まで抜けてさらに開放的な印象が強まることに。