移動のたびに風景が変わるホワイトウォールに縁どられた暮らし
階段からダイニング・キッチンの天井部分を見上げる。
この家に住み始めて1年とちょっと。Iさんはダイニング以外ではリビングに家族が集まることが多いと話す。「テレビの前のスペースが“家族の憩いの場”になっていて、あそこでゲームしたり遊んだりしています。とても開放的だし高さもあって実際の面積以上に広く感じられて、伸び伸びと遊べたり過ごしたりできるのが楽しいですね」
奥さんはキッチンにいる時間が長いという。「子どもの様子をみながら料理ができるし、リビングにいる子どもとも会話しながら作業ができるのがとてもいいですね。あとはやはり壁や柱を残していただいたのが良かったと思います。風景の変化も楽しめるし、子どもはかくれんぼしたりとかしてこの空間を楽しんでいます」
さすがに残した壁が「かくれんぼ」に使われるとは建築家も想定していなかっただろう。
しかし言われてみると、かくれんぼに適した場所がそこここにあるのに気づく。ワンフロアの空間に壁が適度に残されているというところが子どもの遊び場所として打って付けなのだろう。
ダイニングから“家族の憩いの場”であるリビングスペースを見る。
ベランダのあった部分まで室内が拡張されている。