くらし情報『堀潤「ピケティ」をわかりやすく解説 実は深刻な格差問題』

2015年6月2日 08:00

堀潤「ピケティ」をわかりやすく解説 実は深刻な格差問題

そして大手の証券会社は、ギャンブル性の高い金融商品をこぞって開発しています。それが歪んだ金融資本主義を招いてしまっていると、ピケティは考えました。

格差社会を証明する衝撃的なデータもあります。2010年の時点で、アメリカでは上位1割の高所得者が、国の約半分の利益を独占しているそうです。日本でも10%のお金持ちが、国中の4割の富を握っています。今後はさらにその傾向が進み、1%の富裕層が国の半分の資産を持つことになるだろうともいわれています。

ちなみに、それに対してピケティが提案しているのは、高所得者に対する課税方法を変えて、格差を食い止めるということ。ただ、これを1国が単独で行うとなると、その国の経済を支える資産家が一気に別の国に逃げてしまうことになりかねません。
そこで、世界で足並みを合わせて、同時に税法を変える必要がある、と言っています。

いずれにしても、格差はすでに差し迫った問題。このまま進行すると、経済状態によって教育を受ける機会が失われたり、住むエリアが決まってしまったりすることもありえます。ピケティの構想にも賛否両論ありますが、国のかじ取りを見守りたいところです。◇ジャーナリスト。

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