、それが結果的に自分の日本語を見つめ直すきっかけになりました」
5年前、23歳の時の小誌インタビューでも「言葉を大事にしたい」と答えてくれていた杏さん。正しい言葉遣いを心がける意識は、常日頃から持っている。
「どんなに気をつけていても、不意に口から出てきた言葉はどうしても繕えないもの。例えば、これから言葉を覚える赤ちゃんはそれを何気なく聞くだろうし、すぐに真似をしてしまう小さな子どもだっているはず。だから、日頃から正しい日本語に触れて、きれいな言葉遣いを自分の“身に沁みさせておく”ことも必要なのではないかと思っています」
では、そんな杏さんのイメージする“美しい日本語”とは?
「昔の方のインタビューを見たり、市井のおばあちゃんの話を聞いていると、とても上品な言葉で話されているので、憧れます。『~していらっしゃるの?』とか、『~してくださって嬉しいわ』なんて、どこか大正時代の女学生のような雰囲気が残っていて。身近な人でいうなら、黒柳徹子さんの言葉がそうです。徹子さん、メールもいつも通りの話し言葉でくださるんですよ。
きっと年齢を重ねれば重ねるほど、言葉の魅力が輝いてくるんだなと思います。