くらし情報『TPPで安い薬が手に入らなくなる? ジェネリックめぐる動き』

2015年6月29日 21:00

TPPで安い薬が手に入らなくなる? ジェネリックめぐる動き

私たちにとって、薬をより安く手に入れられるのはありがたいことです。でも、新薬を開発した大手製薬会社にしてみたら、後から出た薬が売れるのは面白くない話。現在TPP協定が交渉中ですが、多くの巨大製薬会社を持つアメリカは、ジェネリック医薬品に規制をかける項目を入れているらしく、新興国の反発を買っています。

実は新興国の貧困層の間では、エイズ(HIV感染症)の蔓延が深刻な問題になっているんですね。高額な治療費を払えませんから、それらの国ではジェネリック医薬品が治療を支えている状態。国境なき医師団の調査によると、新興国では2000年以降、およそ900万人もの人が、ジェネリック医薬品でHIV治療を受けたのだそうです。そのため、2000年に年間1人あたり100万円かかっていた治療費が、現在6000円にまで抑えられたのだとか。けれど、TPPの交渉次第では、今後救えない命が出てくるかもしれません。


日本も今後は、高齢者の医療費負担が問題になってきます。年金も貯金も見込めない将来、医薬品が安くすむかどうかは大事な問題になってきます。TPP協定は基本、秘密交渉なので、締結するまで詳細をつかみにくいのですが、ジェネリック医薬品をめぐる動きにはぜひ注目していてください。

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