2015年7月19日 08:00
パイロット育成が間に合わず元軍人や自衛官も…LCCの内情
航空会社としても、従来の普通料金のものと、格安ブランドの航空会社と2段構えでビジネスを広げています。航空会社のLCCの占める割合は2001年で総座席数の8%でしたが、2011年には24.3%。10年間で約3倍にまで増えました。この背景には、IT化が進んで、オンラインで航空券の販売ができたり、顧客管理をしやすくなったことも後押ししています。
ただ、コストを下げるために、機内サービスは制限されますし、機長や機体のやりくりがうまくいかずに、便が遅れたり欠航になることも。なので、利用者は圧倒的に観光目的。時間に余裕があって、お金をかけずに移動したい若い世代が多くを占めています。
LCCラインの増加にともない、実はパイロットの育成が間に合わないというのが世界的に問題になっているんです。
3月のジャーマンウィングス(ルフトハンザのLCCライン)の事故など、パイロットの過労が問題視されましたよね。人手不足によって、元軍人や自衛官など、戦闘機パイロットがLCCを操縦するケースも増えているのだそうです。LCCラインは今後も増えるかもしれませんが、経済的な合理性ばかり優先されて、最も大切な安全確保がおろそかにならないよう注意してもらいたいですね。