2019年1月27日 20:00
進化する羽生結弦 “スコアに縛られない演技”とは?
表現者としてさらなる高みを目指す羽生結弦。原点回帰、そして今季のビジョンを織り込んだ、新プログラムに迫ります。静かなピアノの曲は音も抑えて滑りたい。
幼い頃から目標にしてきた、23歳での五輪制覇。それをディック・バトン(アメリカ)以来66年ぶりに果たす“連覇”という快挙とともに達成。そしてそれにより始められると思った、自分のための、新たなフィギュアスケートへの挑戦。自分が競技者として目覚め、世界を意識する気持ちを生み出してくれた憧れのスケーターふたりの、代表的なプログラムで使用された曲を使うと決めた。だからこそ、いま自分ができる最高の技術を入れ込んだプログラムにしたいという思いは強い。
その表れが、SPでジャンプをすべて後半の初めまでに入れ、その後はスピンやステップを行う構成にしていることだ。昨年4月に自ら企画・参加したアイスショーの“コンティニューズ・ウィズ・ウィングス”で、羽生はジョニー・ウィアーの、体をかがめて足の間に手を入れて回転する彼の“パンケーキスピン”に衝撃を受けたと話していた。アイスショーではウィアーだけではなく、ステファン・ランビエールなどもスピンだけで感情を表現する技術の高さを見せている。