デザイナー・吉田ユニ「唯一無二の“かわいい”の作り方」
色使いやモチーフはとてもキュート。もう一歩踏み込んでディテールに寄って見てみると、かわいいに収まらない毒やアイロニー、エキセントリックさ、そしてユーモアが詰まっていて、もっともっとその奥が見たくなる。吉田ユニさんの名前を知らなくても、彼女の作品にハッとさせられたことのある人はきっと多いはず。そんな吉田さんの作品が一堂に会する個展「Dinalog」が開催されることに。その唯一無二の“かわいい”の源はどこにあるのか、根掘り葉掘りお話を伺いました。
――吉田さんのご職業は“アートディレクター”であり、“デザイナー”だと思うのですが、例えば画家のような作品で自己表現をするアーティストとは、ちょっとスタンスが違いますか?
そうですね。たぶん私の作品を見て、“自由に作っている”と思う方は多いかもしれませんが、私は企業やブランドの広告、ミュージシャンのCDジャケットなどの仕事が多く、そういうジャンルのビジュアル作りの場合、必ず“言うべき、伝えるべきこと”があります。つまり、お題というか、制約あっての作品なんですね。
――その“言うべき、伝えるべきこと”というのは、広告主や、ミュージシャンの意見であって、吉田さんのお仕事は、それをビジュアルに落とし込み、伝えやすくすること、なわけですね。