くらし情報『生き残った人の共通点が気になる! 終末世界を描く小説『パライゾ』』

2020年6月12日 20:30

生き残った人の共通点が気になる! 終末世界を描く小説『パライゾ』

果たしてそれは?他にも北品川や新宿、札幌など実際に著者自身が訪れた場所や、あるいは飛行機内や刑務所などを舞台に、各地で生き延びた人たちの行動が描かれる。

「事態が把握できないまま死ぬ人もいれば、工夫して状況を楽しもうとする人もいるし、対応できない人もいる。章ごとに自分も一人一人の行動を追っていく感じでした。登場人物に共感するのは難しいかなと思っていましたが、第5章の『愛』の話では最終的に、感情移入して泣いてしまいました」

インフラも途絶えた世界で人々が生き延びるのは困難で、残酷なことも描かれる。それでもこの、物語に引きこむ力はなんだろう。

「終末ものは、生き残る美しさを描いた作品も多いと思う。でも今回はそれを書こうとは思いませんでした。ある方の“今さら大人に愛とか希望とか必要ない、大人ならそんなものなくても生きてみせろ”という言葉がずっと自分の中に残っています」

今後は希望のある話も執筆予定。
作風の幅を広げていく予感に期待大。
生き残った人の共通点が気になる! 終末世界を描く小説『パライゾ』


あがわ・せんり1988年、北海道生まれ。2015年「厭世マニュアル」で野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。他の著作に『アリハラせんぱいと救えないやっかいさん』『ウチらは悪くないのです。

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