2020年8月27日 20:30
現役司法修習生の注目デビュー作! ロースクールが舞台のミステリー
二転三転四転する展開のなかで、法律の面白さを伝えてくれるミステリー『法廷遊戯』。これが新人のデビュー作というのだから驚きだ。著者の五十嵐律人さんは司法試験に合格した現役の司法修習生で、本作でメフィスト賞を受賞した。
ロースクールで起きた不可解な事件。現役司法修習生の要注目デビュー作。
「弁護士や裁判官を目指していたというより法律が好きでロースクールに進学しました。法律の面白さをいろんな人に伝えたいなと思い、小説ならそれができると考えて、書くことにしました」
本作は2部構成。第1部は、ロースクールの学生たちが「無辜(むこ)ゲーム」という模擬裁判を繰り広げる。
主要人物は3人の学生。傷害事件を起こした過去を持つ久我清義、彼と児童養護施設で一緒に育った織本美鈴、ゲームの審判者で有能な結城馨。
「本格的な法廷劇にするより、学生のゲームの話にしたほうが法律に興味のない方でも面白く読めると思いました。実際にイベントで模擬裁判のシナリオを作ったことがあって、勝手に復讐ものに仕上げたこともありました(笑)。主人公の久我を過去に罪を犯した青年という設定にしたのは、罪を犯すにはそれなりの理由があるし、だからこそ分かることもあると思ったからです」