2020年8月27日 20:30
現役司法修習生の注目デビュー作! ロースクールが舞台のミステリー
そして第1部の終わりで現実の事件が起きる。主要人物の一人は命を落とし、一人は容疑者となり、一人は弁護を引き受けることに―。第2部では殺人事件だけでなく、痴漢冤罪事件や住所不定者の人生模様なども絡み、事件の様相が次々と変わるなか、関係者たちの切実な心情が浮かび上がってきて読ませる。だが、なんと、
「事件の真相は決めずに書き始めたんです。事前にプロットは作らず、1か月くらい体育座りして頭の中である程度考えてから(笑)、パーッと書き始めました。第1部を読み返して、これが伏線になるなどと考えつつ、予定調和にならないように書き進めていきました。司法試験でも、有罪か無罪か結論を決めて答案構成するのでなく、書きながら決めていくタイプだったんです」
だからこそ予想外の展開が待つミステリーとなったといえるのかも。すでに第2作にも取り掛かっていて、
「少年犯罪と家庭裁判所調査官の話に、神経犯罪学を絡めています」
さらに第3作の構想も出来上がっているというから、頼もしい!
『法廷遊戯』ロースクールに通う久我は、自分の暗い過去を告発する悪意の存在を知り、孤高の優等生・結城の力を借りて犯人捜しを始めるが…。