2021年1月7日 19:40
明日海りお「最初は不安でした」 ミュージカル『ポーの一族』に再挑戦
――公演中はいかがでした?
明日海:どこまでも作品に移入してしまうような…。だから、毎公演エネルギーの消耗がすごかったです。
――バンパネラになってからのエドガー…とくにラストは、地上から数cm浮いているというか、体が半分透けて見えているような、人外の存在感がありました。
明日海:自分も演じながら生きてる感じがしないというか…重力を感じないというか、そんな感覚がありました。入りきっちゃうんですかね。
――どのようにエドガーを演じようと思われていたんでしょう。
明日海:最初、エドガーは人間の少年ですから、“子役をやっている人”ではなく、少年そのものに見えるように心がけていました。バンパネラになってからは人間でないものに見せたいのと、原作の美しさを出したいのとで、動きとか目線とか、指先まで神経を張り巡らしていましたね。
バンパネラになった当初は、苛立ちとか人恋しさみたいなものを奥の方で感じていたんですけれど、時が経つうちにどこかで諦めた感じで物事を見ている感覚で、私自身もエドガーと同じように、すごく遠いところで成り行きを見つめていたような…。たぶんそれって、萩尾先生の世界観の力と、何のストレスもなく気持ちが流れていくよう構成してくださった小池先生の力のおかげだと思います。