2021年2月24日 19:00
『愛の不時着』より傑作!?…世界的大ヒット『クイーンズ・ギャンビット』レビュー #3
美しくなったベスを見て「わお!」と感嘆の声をあげる。ベスも、それに応じてポーズをとる。
「君の記事を書きたい」とタウンズはベスを誘う。
「部屋にカメラがある」
「あなたの部屋?」
いぶかしむ表情のベスだが、
「チェスボードもあるから指せるよ」
で、すぐに部屋に行ってしまう。お笑いコンビ・納言のネタなら「なぜついてくるの?」「チェスボードはセコいってよ」と続く流れだ。
チェスボードにつられて部屋に入ってしまったベス。
写真を撮りながら、タウンズはベスに近づき、手を伸ばして髪の毛を触る。
見つめ合うふたり。
急にドアが開いて男が入ってくる。
「お邪魔しちゃったかな、ぼく」
この男が、短パンにカットしたムチムチのジーンズをはいている。
登場人物を紋切り型な人間に描かない
『クイーンズ・ギャンビット』はチェスのドラマだ。チェスの試合は勝敗がはっきりする。いっぽうで人間関係は試合のように白黒つかない。ていねいに慎重に、人間関係を描いていく。説明セリフや、あからさまなシーンで関係性にわかりやすい決着をつけることを良しとしない。
タウンズと男はおそらくカップルだ。
ベスはそう推測したように見える。