2021年3月23日 18:40
なぜ主人公が“おじさん”? 19歳の芸大生、RYO OGATAによる空想絵日記
「昔から、絵描きは身近な対象をモチーフにすることが多いんです。伊藤若冲が庭先の鶏を描いたように、港区のオフィス街で育った僕はおじさんを描くようになりました」
そう語るのは19歳の芸大生、RYO OGATAさん。初めての著書『おじさん日記』は、57歳の男性・竹田大(以下、まさる)を主人公にした創作絵日記。高校時代からアーティストとして活動を続けてきたOGATAさんの処女作は、なぜにおじさんの、しかも絵日記なのか。
19歳のアーティストが描く57歳サラリーマンの空想絵日記。
「両親に連れられていく銭湯や、家族で食事に行く居酒屋で日常的におじさんを観察しているうちに、もしその人たちが絵日記を描いたらどんなものになるかと気になって…。自分で描いてみることにしたんです」
デジタル世代のど真ん中ながら、今作はジャポニカ学習帳の日記帳に色鉛筆で一日一枚。そのアナログ感は小学生の夏休みの絵日記さながら。
「機械が苦手なんです(笑)。それにずっとサッカーをやってきたせいか、体を使って表現することが僕にとっては自然。絵を描く時も実際に手を動かすことで初めて、その質量や描く意味を感じられるんです」
ページをめくれば大迫力の画風に圧倒されつつ、まさるの日常に引き込まれる。