2021年4月30日 19:00
カエルはなぜウサギに勝てた? 「国宝 鳥獣戯画」じわじわくる意外な謎
実にリアルでかわいいです。
カエルとウサギがサルを追いかけている部分も名場面のひとつ。「こら、待て!」と声まで聞こえてきそうなほど生き生きとした描写です。
相撲で反則勝ち?!
カエルとウサギが相撲をとっている場面もかなり有名です。ウサギを投げ飛ばしたカエルの口元から線が何本か引かれていて、まるでセリフのよう。
ちなみに、ウサギを投げ飛ばす前、取っ組み合いの最中にカエルはウサギの耳に思いきりかみついています(上図右端参照)。この反則(?)のあと、弱ったウサギを投げ飛ばしてカエルは勝利。ちょっとズルいですね。
鳥獣戯画は詞書がないので、いろいろ想像力を働かせながら見ることができます。絵を見ながらセリフを考えてみても楽しそうですね。
本記事では甲巻に注目しましたが、各巻それぞれ見どころがあり、また会場に行くとパネル解説で詳細を知ることもできます。
甲巻以外は動く歩道ではないので、解説なども見ながらご自分のペースでご覧になってみてください。
また、展覧会の最後では、高山寺を再興した鎌倉時代の僧、明恵(みょうえ)上人の等身大木像や、かわいい子犬の像なども展示。高山寺の名宝を通して、明恵上人の魅力も伝わってきます。