くらし情報『余命1年、40歳独身女性がホストと出会い…奇妙な交流を描く『余命一年、男をかう』』

2021年8月3日 21:10

余命1年、40歳独身女性がホストと出会い…奇妙な交流を描く『余命一年、男をかう』

「瀬名については“作画がいい”とだけ表現しているので、みなさん自分の推しの顔を当てはめて読んでもらえたら(笑)」

口調は軽薄だが、優しさと愛嬌のある瀬名がなんとも魅力的。互いとのやりとりを通し、彼らは自分の中の偏見や頑なさに気づいていく。当然、恋に発展するかも気になるが、唯はもともと愛することも愛されることも拒絶している人間だ。

「結局ラブありきじゃん、という話にすると置いてけぼりを感じる人はいる。ラブが好きな人にも興味ない人にも楽しんでもらえる、全部どりの話を目指しました(笑)」

恋愛も生き方も、どんな形も否定せず、選択と可能性があると示しているのが本書の魅力。時代の空気に対する著者の鋭敏さにもしびれる。

「自分では嫌なんですけれど、私、空気を読むのが得意なんです(笑)。ただ、価値観のアップデートができない人を悪者にしないように気をつけて書きました。
私も気づいていない部分があると思うし、今後も頑張って空気を読んで書いていきます」

吉川トリコ『余命一年、男をかう』貯金が趣味の片倉唯は、40歳で余命1年と宣告される。老後の心配をしなくていいと安心する彼女が出会ったのは、金策に追われるホストで…。

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