2021年10月23日 22:10
草笛光子「洋服には、人生が出るんです」 役柄にリアリティを出すコツ
そんなところも見ていただけたら!
「こんちくしょう!」できれいに生きる。
長いこと私のマネージャーをしてくれた母は、いろんなアドバイスをくれました。芸能に関してはまったくの素人の母の言葉だからこそ、とても私に響いたものが多々。その中でも今も私が大事にしているのが、「きれいに生きましょう」という言葉。「光子ちゃん、きれいに生きましょうね」とよく私に言っていました。それは、ズカズカと出ていき誰かの役を奪うとか、裏で何かをして便宜を図ってもらうとか、そういう汚いことをせず、きちんと生きましょう、という意味です。
心の奥底を覗けば、人を押しのけたい気持ちや、陥れたりしそうになる闇がある。でもそんなことをして生きるなら、今いる場所から降りたほうがいいと、私は思っています。
もちろんきれいに生きようとして、バカを見たこともたくさんあります。そんなときは思い切り泣いて、「こんちくしょう!」って立ち上がる。それで再び、きれいに生きる。今でもその言葉は、私と母の合言葉です。
くさぶえ・みつこ女優。1933年生まれ、神奈川県出身。松竹歌劇団を経て女優デビュー。以来映画、ドラマ、舞台、ミュージカルなど幅広く活躍。