2021年10月29日 21:10
のちに大きく評価されるようになるかも? 菅内閣をふり返る
その点、菅内閣はイデオロギー色の薄い政権だったため、対外的に大きな摩擦がなかったというのは大きな成果だったのかもしれません。トランプ政権からバイデン政権に代わっても、アメリカから不利益なことを要求されることはありませんでした。
ただ、総理自身の言葉で語られることがほとんどなく、何を考えているのかわからない政権ということになってしまったことは非常に残念でした。それにより、国民の政府不信も募っていきました。
安倍政権は新自由主義で、アメリカ寄りの外交を進めて、歴史認識は戦前回帰な傾向にありました。もしも今後、中国やロシア、北朝鮮、アメリカなどとの外交において、国際協調の橋渡し的な役割を日本がうまく担えるようになったなら、安倍政権からゆるやかにシフトチェンジした政権として、菅内閣はのちに大きく評価されるようになるのかもしれません。新内閣の今後の展開を注視しましょう。
堀 潤ジャーナリスト。
市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。
※『anan』2021年11月3日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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