2021年11月11日 20:00
脱北者が韓国で女性ボクサーに…差別や偏見と闘いながら見つけた真実の愛
人に対して愛着を持てるというのは、他人に対して関心を持っているからこそ。友達でも恋人でもいいので、そういう人物を入れたいという考えからテスが生まれました。
とはいえ、テス自身も過去に悪さをしていた時期があり、いろいろな悩みを抱えていたので、脱北者であるジナと気持ちのうえで通じ合えるのではないかなと。テスが味わった感情は、私自身も似た気持ちがあったので、脚本の段階からテスの役割を大切に描きました。
大切なのは、相手にちゃんと関心を持つこと
―監督は、「この作品には随所にメタファーを入れている」と事前にコメントされています。そのなかでも、注目してもらいたいシーンがあれば教えてください。
監督この映画のなかで、個人的に私が一番好きなのは、ジナとテスが一緒に遊園地へ行くシーン。あの場面で、2人はすべてのことを消し去り、人間対人間として存在しているんです。
そして、他人に対する純粋な感情というのが描かれている瞬間でもあると思います。なので、そういったメッセージを伝えるうえでも、とても大切なシーンになりました。
―特に、ジナの表情がとても印象的ですよね。
監督そうですね。おそらく観客のみなさんは、ジナを見ていて、「どうして笑わないんだろう?」