2022年2月17日 20:10
世界的に深刻な半導体不足に…原因&解決策、日本がすべきことは?
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「半導体不足」です。
製造地域の偏りが大きな要因に。長期的展望が必要。
いま、世界的に深刻な半導体不足に陥っています。半導体は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器のほか、最近は冷蔵庫や洗濯機などの家電にも使用されており、電車の運行など社会インフラにも不可欠なものです。
不足した大きな理由は新型コロナウイルスのパンデミックです。世界的にリモートワークが広がり、半導体チップを使った製品の需要が急増しました。
ただ、製造工場はコロナ禍になる前から、実はほぼフル稼働状態でした。半導体は年々進化しており、生産ラインも最先端のチップにバージョンアップしていました。ところが、従来のバージョンも依然として需要があり、進化と必要なタイプにズレが生じることに。それがサプライチェーンの生産工程にストップをかけ、生産の減速や停止という事態になったのです。半導体不足による自動車業界への打撃は深刻で、閉鎖を余儀なくされる工場も。ゼネラルモーターズやフォードは20億ドル以上、収益の減少を見込んでいます。