2022年6月25日 21:10
バイデン大統領の声がけで13か国が参加 「IPEF」各国の思惑とは
、(2)半導体などのサプライチェーンの強化、(3)クリーンエネルギーや脱炭素に対して、質の高いインフラ作り、(4)マネーロンダリングや脱税対策、公正な経済を促すための対策を掲げていますが、できる範囲でOKというスタンスです。
アメリカはトランプ政権の時にTPPから離脱しました。外国からの輸入品に高い関税をかけ、国内産業や雇用を守る政策に変えたのです。実は、バイデン政権でもその軸足は変わっていません。その一方でアメリカはいま、インフレに苦しんでいます。関税を下げてモノを安く供給したいけれど、TPPのような枠組みだと政策転換になってしまう。そこで、IPEFを提案。そこには今秋の中間選挙を見据えたアメリカの事情も見えます。
ただ、中国抜きにアジア太平洋地域がまとまり、関税の引き下げや撤廃という議論なしで融通し合うというのは、中国と絶妙な関係にあるインドや、中国からプレッシャーをかけられているオーストラリアにとっても大きな意義があります。日本にも、IPEFでアメリカを繋ぎ止めながら、TPPやRCEPをより安定した枠組みにしたいという思惑があるんですね。
堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」