2022年7月29日 18:00
「核なき世界の実現」のために、唯一の被爆国・日本だからこそできることは?
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「核なき世界の実現」です。
唯一の被爆国だからできる橋渡しを望む。
77年前の8月6日に広島、9日に長崎に原子爆弾が投下されました。今年の広島の平和記念式典で、岸田総理がどのようなメッセージを発するのか注目しています。岸田さんは広島県が地元で、総理就任の記者会見では「核兵器のない世界に向けて全力を尽くす」と発言していました。
核兵器の保有も開発、使用も認めない「核兵器禁止条約」は昨年発効され、現在66の国と地域が批准しています。もとはわずかな数でしたが、広島や長崎で被爆した方々が国連で演説し、核兵器は凄惨な事態を人類にもたらすと訴え続け、第三国が次々と集まり批准しました。
ところが、日本はアメリカの核の傘に守られているという立場から、採択は棄権したんですね。
今年6月、核兵器禁止条約の第1回締結国会議がオーストリアのウィーンで開かれました。日本政府がオブザーバーとして参加するかどうか注目されていましたが、それも叶いませんでした。外務省は不参加の理由について、「核兵器国の関与がないと核軍縮は進まず、核兵器禁止条約には核兵器国が1か国も参加していないため」