「ゆるくて癒される」の声多数! 謎の生き物×中学生の異文化交流コミック
笑えて、ハラハラして、ほっこりするエピソードが満載。
「クリスマスや正月、こたつなど、日本の文化や初めての経験を、クジマならどう過ごすのかなと、大喜利のような感覚で考えています」
本書では、新の両親のみならず、田舎の祖父母までもが正体不明のクジマをすんなり受け入れる。自分と違うものや理解できないものに対して狭量で、何でも排除したがる時代だからこそ、偏見を持たずに共生する彼らに、拍手を送りたくなる。
「クジマはたまたま受け入れてくれる人たちに出会っただけかもしれませんが、幸運でしたね」
読めばわかるが、本書の最大の魅力はクジマの愛らしさ。クジマがどんなときにどんな表情をするのかを描くのは、まったくの架空の生物なだけに、難しそうだけれど。
「クジマの表情の変化は目だけでしか表せないため、できない表情がたくさんあって困ることもありますが、それが『何を考えてるかわからない生き物らしさ』を出す上では、利点でもあるのではないかと思っています。カラーはデジタルで、他はすべてアナログで描いていて、絵としてこだわっているのは背景ですね。陽の光や空気感が伝わればいいなと思いながら描いています」
ちなみに、クジマが鴻田家に住むのは、〈ロシアに帰る春まで〉。