「女性は多くの社会的圧力を受けている」ブラジルの女性監督が感じる理由
イウリ・ジェルバーゼ監督
本作で念願の長編デビューを果たし、ブラジルの新鋭として注目を集めているジェルバーゼ監督。そこで、物語が誕生した背景や映画と現実が重なったときの心境、そしてキャラクターを通して女性たちに伝えたい思いなどについて語っていただきました。
―非現実的なロックダウン下で共同生活をする2人のキャラクターを描きたかったということですが、その理由から教えてください。
監督まずは、「作品のなかに制限を設けたい」というのが最初にありました。それを実現させるために考えたのは、登場人物の数を少なくし、舞台はずっと同じ場所にすること。さらに“強制された結婚”にすることを思いつきました。
「現代的かつシュールな状況での強制的な結婚とは何か?」と考えたときに、一夜限りの関係だった相手と予期せぬ出来事によって一緒にいなければいけなくなるという設定が浮かんできたのです。―“強制された結婚”というテーマに興味を持ったのはなぜですか?
監督それは、自由について考えたかったからだと思います。
自由といっても、人によってさまざまなカタチや意味がありますよね。たとえば、ジョヴァナはこの男性と結婚したかったわけではないし、子どももほしくはなかったのにピンク・クラウドが出てきたことによって、社会が女性に求めるステップを踏まざるを得なくなってしまいます。