「女性は多くの社会的圧力を受けている」ブラジルの女性監督が感じる理由
―とはいえ、自分が書いた映画がどんどん現実とリンクしていく様子を目の当たりにしたときはどのような心境だったのでしょうか。
監督すごく心配しました。もちろん、世界中の方が心配したと思いますが、私にとってはもう一つレイヤーがかかっているような感覚だったかなと。というのも、私は自分の作った映画のなかに生きているような気がしていたというか、SFとして作った物語が現実になってしまってすごく奇妙な気分でした。
それは私だけでなく、本作に関わる俳優たちやスタッフたちも同じで、みんな信じられない気持ちだったと思います。初めは1か月くらいでパンデミックが収まると考えていたので、「私たちはこの作品でリハーサルしたようなもんだよね」と冗談を言っていましたが、そんな状況ではないとわかって本気で心配になったほどです。
誰もが自分らしく生きたいともがいている
―編集中にパンデミックを経験したということですが、実際に映画と同じような状況になってからご自身や作品に影響を与えたことはありましたか?
監督以前から撮影以外は自宅で脚本を書く生活をしているのであまり変化はありませんでしたが、とはいえ「人生は本当に予期できないものだ」