成河「徹底ぶりがちょっと常軌を逸してる (笑) 」 石橋静河と木ノ下歌舞伎の洗礼を受ける!?
その二人が『桜姫東文章』をやるっていうのも…。鶴屋南北のわりと初期の作品で、設定とか筆が荒いぶんエネルギーがあって、情念みたいなものをひしひしと感じるホンだから。
石橋:いろんな話が入り組んだカオスな物語だし、桜姫は演じたことのない役柄だし。最初は少年で、生まれ変わって姫になって、そこから遊女になって、最後に夫と子供を殺すって、女性の業が詰め込まれている気がして。でもめちゃくちゃ面白い。
成河:しかも今回、歌舞伎では200年以上上演されなかった幕を復活するんですよね。非常に批評性の高いシーンだし、そこもぜひ楽しみに来ていただきたいなと思います。
石橋:私、コロナ禍になってから、現実がフィクションすぎて物語が見られなくなっていたんですよ。
そういう状況の中でホッとするのは、歌とか踊りとか、人間の生き物としてあるべき姿を原始的な形で見せてくれるものなんですけど、今回の作品は、そういう人間の原始的な部分に繋がっている気がしていて。物語を“観る”というより“体験する”気持ちで楽しめる気がします。
成河:そうね。演劇だと構えずに、体験しに来たら絶対面白いから。
木ノ下歌舞伎『桜姫東文章』ひょんなことから僧侶の清玄(成河)