18歳で文藝賞受賞・日比野コレコ「松本人志さんの発言を全部メモしていた」
昨年、18歳で文藝賞を受賞して作家デビューした日比野コレコさんは、幼い頃から小説を書いていたという。
言葉の力で絶望を希望に変換する。2003年生まれによるデビュー作。
「『ハリー・ポッター』や『くまのパディントン』『デモナータ』の亜流のようなファンタジーのシリーズを書いていました」
作風が変わったのは、高校2年生の頃なのだとか。
「教室がめっちゃしんどかったんです。ファンタジーを書くだけじゃやってられなくなって、自分と同年代の主人公の小説を書き始めました。コロナで数か月休校となった間もずっと書いていて、できあがったものを応募してみたんです」
そして受賞を果たしたデビュー作『ビューティフルからビューティフルへ』は、学校で自分を偽りながら受験勉強に励むナナ、恋愛体質の静、反骨精神を秘めたビルEという、現状に息苦しさを抱えている3人の高校生が主人公だ。
「最初に書いたのが3つの“ビューティフルからビューティフルへ”というモノローグだったんです。
それで主人公が3人になりました。どの人物も、自分の中のキャラクターが投影されている感じです」
彼らは「ことばぁ」と呼んでいる老婦人の家に通い、奇妙な宿題を出されては提出する。